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VDSL方式の光インターネットを解説、賃貸マンションの現状と代替案

賃貸マンションに引っ越しが決まり、次は光インターネットの手配。このとき初めて知るのがインターネットの『接続方式』。

お部屋選びの条件に、インターネットの接続方式まで気にする方はいません。

今どき、どこのマンションでも光インターネットは使えますから。ネット代が無料のマンションであれば尚更です。

光インターネットと聞けばオール光配線と思いがちですが、マンションの場合はそうではありません。

マンションの光インターネット接続は3つの方式があります。

光配線方式(1Gbps)>LAN方式≧VDSL方式(100Mbps)

※通信速度順

入居者が直接契約をするインターネットは、VDSL方式または光配線方式のどちらかになります。

築浅のマンションであれば光配線方式に対応しますが、2010年よりも前に完成したマンションでは、通信速度の劣るVDSL方式が圧倒的に多くなります。

できれば、賃貸を借りる前に知っておきたいインターネット環境。

この記事では、VDSL方式の現状と打開策について書いていきます。

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マンションの光インターネット「VDSL方式」とは

共用盤

増設したVDSL盤を電話盤に接続

VDSL盤

VDSL盤を拡大

光回線の普及前、インターネットは「ADSL」が一般的でした。ADSLとはメタル(電話)回線を使ったインターネット接続サービスです。

2001年、光インターネットサービスが開始されると、マンション向けに光インターネット「VDSL方式」が登場。

VDSL方式は1階共用部にある電話盤近くにVDSL盤を設置。外部からこの盤に光ケーブルを引き込みます。VDSL盤から住居まで既存の電話線を使えば、住居内の引き込み工事が必要ありません。

VDSL方式は多くのマンションで採用され、光インターネットは急速に普及しました。

当時は、末端の住居まで光ケーブルを配線する「光配線方式」をマンションで見ることはありませんでした。

後に(2007年頃)、光配線方式用の「光コンセント」が登場。光コンセントはVDSL方式の電話コンセントと同じ役割。光配線方式でも無派遣工事を可能としました。

光コンセントの登場により、マンションでは高速通信が可能な光配線方式が普及することに。

現在は新築マンションにVDSL方式が採用されることはありません。光配線方式またはLAN方式のどちらかです。

2006年以前に建てられたマンションでも、VDSL方式から光配線方式に切り替えているケースがあります。それでも、多くのマンションは未だにVDSL方式です。

VDSL方式と光配線方式の通信速度(ベストエフォート)

ひかり配線光配線方式
VDSL方式VDSL方式
出典:NTT西日本

光インターネット接続方式の違いは、通信速度に現れます。同じ光インターネットでも最大通信速度は10倍です。

  • VDSL方式の最大通信速度は100Mbps
  • 光配線方式の最大通信速度は1Gbps(1000Mbps)

上記の速度はベストエフォート(想定の最大)

実際のところ賃貸マンションでは、体感的に10倍の速度差を感じることはなく、1Gbpsの通信速度も出ません。

VDSL方式・光インターネットの開通工事費

VDSL方式の開通工事費は、光配線方式と同じです。

派遣工事が必要な場合の開通工事費は

  • 共同住宅:15,000円、戸建住宅:18,000円
  • 屋内配線を新設しない場合は7,600円(共通)

上記はNTTフレッツ光の標準工事費。これよりも工事費を高く設定している光コラボもあります。

派遣が必要ない場合は、無派遣工事費として2,000円。各光コラボ共通です。

VDSL方式の無派遣工事

光配線方式の場合、派遣工事の有無は、室内の「光コンセント」の有無で判別できます。光コンセントがあれば、光ケーブルが住居内まで引き込まれていることが確認できるからです。

VDSL方式には光コンセントがありません。建物内の配線は電話線を利用するからです。住居内にある電話ジャックが、共用部のVDSL盤と電話線でつながる状況であれば、無派遣工事で開通できる可能性が高いです。

共用部にVDSL盤がある場合でも、すべての住居の電話線とつながっているわけではありません。以前の入居者がVDSL方式でインターネット契約を行い、配線がそのままの状況であれば、無派遣工事となります。

VDSL方式は無派遣工事の判別を目視ではできません。派遣工事の有無は回線事業者の判断を待たなければなりません。

一旦、無派遣工事が決まっても、開通日にインターネット接続ができないケースもあるようです。この場合、派遣工事となり工事が完了するのを待たなければなりません。

光配線方式に比べ、VDSL方式の無派遣工事は多少のリスクがあるようです。

インターネット接続方式の調べ方

賃貸マンションのインタネット接続方式は、回線事業者のサイトから確認することができます。マンションの管理会社、貸主は把握していないことが珍しくなく、通信設備に疎いのが実情です。

築古の物件では、正確な情報が得られないことがあります。

一番確実な方法は、回線事業者に現地調査を依頼することです。このためには、一旦インターネットの申し込みをしなければなりません。

インターネットから調べる

回線事業者の公式サイトには、マンション名が登録されています。必要なのは正確な住所または郵便番号。

詳細はこちらの記事

光インターネット接続方式の確認方法<回線事業者別>
マンションの光インターネット環境は、各回線事業者のサイトで確認できます。 ここで紹介する回線事業者は 「フレッツ光」のNTT東日本とNTT西日本、「auひかり」のKDDI。 「コミュ...
例)名古屋のUR賃貸
〒450-0002 名古屋市中村区名駅5-33-21「アクアタウン納屋橋」
※名古屋駅近くの33階建タワーマンション、2006.11完成

NTT西日本から検索

フレッツ光判定

「フレッツ光」はVDSL方式

URは「auひかり」も提供しています。

KDDIから検索

auひかりマンション判定

接続方式は 都市機構西日本 (VDSL方式)

 

VDSL方式から光配線方式に変更できる?

光ファイバーケーブル工事

VDSL方式は通信速度が劣るため、室内まで光ファイバーケーブルの引き込みを望む入居者の方も少なくないです。

VDSL方式から光配線方式への移行するには、マンション単位で対応しなければなりません。光配線方式は1階共用部まで引き込まれた光ファイバーケーブルを住戸数分に分岐します。入居者はこの分岐された光ファイバーケーブルを利用して光インターネットを契約します。

光配線方式の導入には、光ファイバーケーブルを分岐できる共有スペースと各住戸に配線できる配管が必要になります。

これらの工事はマンション所有者が手配するため、入居者が単独で工事を行うことはできません。

単独でVDSLから光配線

入居者が単独で光配線工事をできるケースもあります。

前述のマンションタイプではなく、割高な戸建タイプ(ファミリータイプ)。1住戸単独で外部から光ケーブルを引き込みます。

まずは、回線事業者の現地調査が必要です。
調査の結果、住居内に光ファイバーケーブルの引き込みが可能であれば、マンション内でも住戸単独の戸建タイプ契約はできます。
ただし、事前に管理会社または貸主の承諾を得る必要があります。

電柱から賃貸部屋まで、ダイレクトに引き込めるのは3階まで。エアコンスリーブ等から引き込みます。
4階以上または1階共用部のMDF盤経由で引き込むには、室内までの配管ルートが確保されている必要があります。露出配管&穴あけ工事での配線も可能ですが、貸主の承諾を得るのは現実難しいです。

 

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VDSL方式ならホームルーターにする?



入居する賃貸がVDSL方式のため、最大通信速度1Gbpsの光インターネットが契約できないとき。

固定回線を諦めるのも選択肢です。

工事不要、コンセントに挿すだけでインターネットが利用できる「ホームルーター」を検討してみてはいかがでしょうか。

ドコモが5G対応ホームルーターを発売しました。最大受信速度はなんと4.2Gbps(有線LAN通信時は受信最大1.0Gbps、Wi-Fi通信時は受信最大1.2GMbps)。

繋がりやすいドコモのネットワークなら安心、しかもデータ通信量は無制限。固定回線の代用には最適です。

docomo home 5G

ドコモの5Gホームルーター「HR01」を使ってみました。

ドコモ5Gにまだ繋がらないエリアで速度測定、平均で200Mbps以上を記録。

4Gでも下り100Mbpsを下回ることがありません。上りは10Mbps程度ですが、確実に固定回線代わりに使えます。

ソフトバンクとauも5Gホームルーターを発売していますが、使えるエリアとデータ通信量はドコモが圧倒的に優位。ドコモのホームルータは幅広く4Gバンドに対応、5Gエリア外でも高速利用が可能。しかも、3日間の通信量制限はありません。

住居の固定回線がVDSL方式限定なら、ドコモの5Gホームルーターもご検討を。固定回線よりも高速でインターネットが利用できる可能性が大です。

※ホームルーターの速度が出ない場合は8日以内の返品が可能です

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まとめ

築古マンションのインターネット回線は、VDSL方式が圧倒的に多いです。

VDSL方式は光配線方式に比べ、理論上では速度が劣ります。

実際のところは、VDSL方式だからといって極端に使い勝手が落ちることはありません。速度低下があるとすれば、別のところに問題があったりします。

それでも選択できるなら、固定回線はVDSL方式でなく光配線方式を選びたいですよね。

高速無線通信が利用できる現在、賃貸であれば、固定回線に拘る必要はないかもしれません。

VDSL方式から光配線方式への工事が無料に!

News Release

2020年7月1日より、NTT東日本のフレッツ光ネクストは
VDSL方式/LAN配線方式から光配線方式へのタイプ変更工事費が割引(無料)になります。

  • 東日本電信電話株式会社(NTT東日本)では、集合住宅等にお住まいで「フレッツ 光マンションタイプ(VDSL方式/LAN配線方式)」をご利用中のお客さまから“通信サービスの品質向上”に関するご相談をいただいた際には、光配線方式への切り替えをお勧めしております。
  • 新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークやオンライン学習などの利用シーンが広がり、以前より多くのお客さまから同様のご相談を頂いていることを受けて、2020年7月1日(水)のお申込みより、「フレッツ 光ネクスト マンションタイプ(VDSL方式/LAN配線方式)」をご利用中のお客さまが光配線方式へ移行する場合のタイプ変更工事費を無料といたします。
出典:NTT東日本「報道発表資料

VDSL方式から光配線方式へ、割高な戸建タイプでなくマンションタイプに無料で変更できます。

  • 光配線方式未対応のマンションもすべて対象なのか?
  • 配管がない、利用できない場合でも対応するのか?
  • 建物所有者の工事許可はどうするのか?

資料からは以上が確認できません。

VDSL方式すべてのマンションで無料工事が可能ならば、マンションのインターネット環境は一気に向上(高速化)しそうです。

尚、現時点で、西日本NTTからの発表はありません。

フレッツ 光ネクストにおけるVDSL方式/LAN配線方式から光配線方式へのタイプ変更工事費割引の実施について | NTT東日本
NTT東日本の報道発表資料をご案内します。
※どうやら光配線設備が整ったマンション限定のようです

 

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